イースタン・シエラ・ネバダの夏 vol.11(最終回)
私の到着した7月19日の数日前からカリフォルニアには
熱波が襲いかかり死者も出る暑さでした。
2000メートルを超える場所でも連日40度を超え、
雷雲が発生し落雷や竜巻、雨まじりの天気と
山々に残っていた残雪が溶け出して、
川の水位も上昇と、例年にない異常気象だったのです。
写真はイースト・ウォーカーの釣りの帰りに見えた不思議な虹の雲。
こんな現象も異常気象のせいかもしれません。
出発前にはドライフライのマッチ・ザ・ハッチで相当数釣れると予想されましたが、
水位の上昇によりBWOのハッチは散発でイブニングライズも少なかったのでした。
そんな訳で今回はウェット7割、ドライ2割。ストリーマ、ニンフ1割の釣りになりました。
(ちょっと大物狙いが見え見えの選択ですが)
思っていましたが、残念ながら予想を下回る結果となってしまいました。
毎日、奇麗なトラウトの顔が見れたのと、
広大でアメリカらしい風景の中でロッドが振れたこと、
いろいろな種類の川で釣りが出来たことはいい経験になり、勉強になりました。
中でも日本でやってるウェットの釣りがアメリカで十分通用したのが収穫でした。
今回の経験を活かしてタックルのシステムの組み方、
フライの選択、アプローチの仕方、などまた機会があれば工夫して
チャレンジしてみたいと思っています。
そして、何よりも今回の釣りをコーディネートしてくださった
L.A.のgoldentroutjpさんと、NewYorkのkunitaさんという、
かけがえのない友人が出来たことが生涯忘れることのできない思い出になりました。
私のブログを見に来てくださる皆さんを始め、
釣りという共通の趣味で年齢や性別を越えて友人になれるすばらしさ。
ブログをやっていて本当によかったなと思います。
午後1時に出発して高速道路を2時間走り
たどり着いた渓流を釣り上がりました。
この川では数年前に小さいながらもいい釣りができ、
尺ものが釣れたこともあったのですが…、
数時間かけても魚の気配が感じられません。
悲しいかな足下を走ったり、ライズしたり、
フライを見に来たりが一回も無いまま終了しました。
この区間には他の釣り人は見かけませんでしたので、
きっと全て抜かれてしまったのでしょう。
東京から日帰りのできる釣り場はどこも、この時期は魚が居なくなります。
アメリカでは連日あんなに釣り人が押し掛けてもワイルドトラウトが釣れたので、
つい比較してしまいますが、
レギュレーションとマナーがちゃんと守られているから
いつ行っても釣りが楽しめていると感心しました。
それに日本のように川にタバコの吸い殻、コンビニの袋、
空き缶などゴミが落ちていなかったことも驚きでした。
キャッチ&リリースの川が日本の川でも増えています。
しかし放流するだけの管理釣り場的なものが多いのも事実です。
偉そうなことは言えませんが、釣りきらずに自然に再生産するような
河川が将来増えて行けば河川の環境は改善されていくのではないでしょうか。
日本の渓流で30〜40cmの岩魚や山女が
いつ行っても釣れるような環境になることを願って
今回の釣行記を終了します。
by Lt_cahill
| 2006-08-09 21:37
| アメリカ釣行