フローティング・ワカサギ・フライ07バージョン vol.1
阿寒湖用に巻いているフローティング・ワカサギ2007バージョンを紹介します。
特別に今回は行程を写真で解説しようと思います。
このフライは下の写真のように産卵が終わって川から湖に流されている瀕死のワカサギで、
頭の部分を上にして下半身はくの字に曲がっている状態を製作します。
完成した物を見ると大変そうに見えますが、思っているほど難しくないので
ワカサギが泳ぐ湖などで釣をされる方は挑戦してみてください。
1:まずは、ボディに使うフォーム材です。
梱包材などで使われていて何種類か出回っていますが、
厚みが1ミリから1.5ミリで透過率の高い物を用意してください。
2:ハサミかカッターを使ってワカサギの形に切ります。
その湖により大きさが違いますので、アベレージサイズを調べることも重要です。
阿寒湖では6cm〜7cmがアベレージサイズです。
3:上の写真を見てください(これは本物のワカサギです)。
アメマスたちは湖面に浮いているワカサギを
45度から90度の下方から見て捕食します。
その時に空抜けでワカサギの骨や内臓が黒っぽいシルエットで見えるのです。
それを表現するのに銀色のテープを切り抜きます。
4:下の写真の様に貼ります。
そしてボディの外側に被せるマーラーチューブを用意します。
5:マイラーチューブは解けやすいのでちょっと長めにカットして引っかからないように
被せます。そしてテール部分をスレッドでハーフヒッチして巻き止め、瞬間接着剤で
固定します。
(スレッドはTMCモノスレッドのクリアがお勧め)
6:次にフックです。出来ればゲープが広くてロングシャンクの物が適しています。
(TMCなら765TC /777SP /9394)
そして重要なのが上から2枚目の写真のようにワカサギはカーブを描いています。
ストレートのフックではそのような形にならないので、ペンチなどを使ってフックの形を
変形させます。下の写真は上が通常のフック、下は加工したフックです。
7:フックをバイスにセットして後方部分にレッドワイヤを巻き込みます。
頭を上にしてお尻が下を向くようにするためですが、
仕上げにシリコンを使うと浮力が強いので多少重めにします。
この重さはいくつか作って水に浮かべないと適正なバランスは解りません。
ご自身で試してみてください。(昨年は板おもりを仕込んだのですが重すぎて沈み過ぎで失敗。今回は.020を7cm巻き込みました。)
8:仕上げにエアロドライウイングのホワイトを巻きます。
これはフックをボディに差し込んだ時にフックが目立たないように
するためなので薄く巻きます。
9:先ほど用意したボディの下側にフックを差し込み頭の部分をスレッドで巻き止め
ボディをフックに押し当ててハーダニング(接着硬化促進剤)を塗り、瞬間接着剤で固定します。
10:ここまでが全体の70%ほどの行程です。
このフライは作る数を前もって決めていくつかの行程別に同時進行した方が
効率がいいです。
ここまでの行程で形がいびつでも気にしないでください。
最後の仕上げでワカサギらしくなりますよ。
後半に続く。
by Lt_cahill
| 2007-05-20 23:44
| Fly Tying