Expression vol.40「抜」
Expressionのキーワードは「抜」。
「今回は特別に私の秘密のフライを公開しましょう。」
「オオッ!そういうエントリー待ってたぞ!」
「先日の秋田ではオオマダラの#6〜8サイズがハタハタとハッチしていました。
そんな場面でドライフライとローテーションで使っていたのがこのフライ。
オオマダラは水中羽化だから効果的なんだ。
7割はこの#12で釣り上げたんだよ☆エヘン!☆
「誰が考えたフライなの?」
「ニュージーランドのガイドが考案したものを僕がアレンジしたCDCイマージャなんです。
ハイクオリティのCDCを4枚張り合わせ、ボディにマテリアルをぐるぐる巻くだけの簡単なフライ。浮力も抜群で視認性バッチリ。CDCが風でゆれればトラウトを誘ってちゃうんだよね。サイズは#8〜18で何色かバリエーションがあれば世界中の川で釣れる。昨年はアメリカでもこれで釣れたんですわ〜。☆エヘン!☆」
「ヘェ〜っ。これなら僕にも巻けそうです。それにしてもフライが指にくっ付いて見えますけど?」
「アアッ!秘密を公開するんで、力んでしまって針先が指に入っちまった!」
「ハハハッ!まるで指ピアスじゃないですか!笑わせないでくださいよ」
「ちょっと待ってくれ!痛い!☆×※このフックバーブ付きで抜けないぞ!!)」
「そら大変だ。早く病院に行った方がいいっすよ!」
なんて笑い話なら良いのですが、ここからは実話でございます。
ハウツーのためになるフックの抜き方も覚えておいてください。
秋田で見つけた最終日のとある支流で6時の集合時間にそろそろなろうかという時、
一緒に釣り上がっていたiwanao65さんが、この上の流れを釣ったら戻りましょうと、
流れを譲ってくれた。
今日は枝ばかり釣っていた自分は最後に決めてやるぞと数投キャスト!
しかし魚が付いていないのか出てこない。
ラインを伸ばして遠投するもまたしても枝を釣ってしまう。
絡んだフックを外しに行ってちょっと強引に枝を引っ張った時に
チクリ!と指に激痛が走る。
なにごとか?と指先を見ると、なんと左手薬指に針先がめり込んでいるではないか!
抜こうと引っ張るともの凄く痛い。バーブレスではなかったのです!
ここではなにも出来ないので、とにかく車に戻ることに。
車に戻ったが、ニッパーのようなものが無かった。
そこでもう一台の車を待っていると、なんとかペンチがあったのでそれで対処することにした。
その模様は集中力を必要としたので写真がない!
イラストと解説を参照してください。
1.まず、どんな角度でフックが刺さっているのかじっくり分析。
抜くとバーブが指を傷つけさらにひどいことになりそうなので却下。
運良く指の側面から入っているので指の腹側に針先を貫通させれば…。
2.ペンチでフックをはさみ角度を間違わないように押し込みます。
ここで必要なのがちょっとした勇気!男の子ですから痛みも我慢です。
押し込むと針先が指の腹から顔を出します。
3.なんとか貫通して針先と返しが見える位置で止めます。
指ピアスの完成。
4.ペンチでバーブを潰します。プライアーがあればカットする方が安心です。
ヘビーワイアだったので力を入れて何度も挟んでいると運がいいことに
針先が折れました。
5.返しがなくなったフックを引き抜きます。見事抜くことができました。
指に空いた穴から多少の出血がありましたが、それほど痛みも感じませんでした。
その後、釣り場から街の薬局をさがして車を走らせ、消毒液とバンドエイドで対処。
あれから3日経ちましたが、傷は治り、神経も問題ないようです。
何人かの知り合いもフックが刺さって病院で抜いたと聞いたことがありますが、
まさか自分がそんなことになろうとは想像もしていませんでした。
皆さんもバーブ付きのフックにはお気をつけ下さい。
(注意)
頭部、顔面、首など危険な部位にフックが刺さった場合は自分や仲間で抜かないで、
病院に行くことをお勧めします。
by Lt_cahill
| 2007-05-30 16:46
| Expression