Expression vol.45「戦」
Expressionのキーワードは「戦」。
気持ちのいい初夏の季節に、
一日をのんびりとセミダブルハンドの
#6-7バンブーロッドで本流を釣り下る。
そして、僕の気持ちに応えるように
トラウトが川を一気に疾走する。
リールが発する絶叫が森に響き渡り、
フライフィッシングの至福を味わう…。
そんな理想を追い求めて、7年前にセミダブルハンドのバンブーロッドをオーダーした。
阿寒湖で初めての桜マスを釣り上げ入魂したまでは良かったが、
翌月、鬼怒川本流であっけなくティツプが折れた。
ロッド修理はしたものの、優雅に釣りをするには未熟だったようだ。
「大きな魚を…数多く釣りたい…」という邪心が心を支配する自分には、
まだまだ早すぎた。
その後、バンブーロッドに合わせて手に入れたのが
バーミンガムスタイルの両軸受けリール。
ワイドスプールで#7〜8ラインでも余裕のキャパシティ。
ドラグも独特のノブで6段階に調整できるクラッシックな雰囲気。
#7のWFラインを巻いて出番を待っていたが、
ついに使われる事なく7年が過ぎ去った。
フライフィッシングでは大型魚になればなるほど、
釣り上げるためにはリールでのやり取りが重要になってくるのです。
そして、一瞬の駆け引きではリールトラブルは許されない。
堅牢な耐久性、回転のスムーズさ、ドラグの正確さで選ぶなら
ソルトウォータのリールが優秀かもしれないが、
選択肢の中に独特のラチェット音、仕上げの美しさ、デザインなども加味してゆくと、
人それぞれ好みも違ってきます。
僕の場合はクラッシックなバーミンガムスタイルの両軸リールに行き着く。
渓流で釣りをしている頃には、70〜80年代のハーディーのリールなどの
スプールからラインを引き出す音が魚を脅かすほどうるさく感じたものだが、
大型魚がヒットした逆転音のサウンドを一度聞いてしまうと
それは後々、音でその釣りを記憶していたりする。
まさに快感サウンドへと変化するのです。
先週、タックルの整理をしていると、
このリールが使ってくれと僕に語りかけてきた。
手に取ってラチェット音を聞きながら、このリールで本流や湖のトラウトと出逢って
快感サウンドを聞いてみたくなった。
まだ、バンブーで本流を釣り下る境地には至っていないので、
未使用のラインをリールから外して、将来のためにストック。
代わりに実戦的なシューティングラインの17 lb.フローティングを接続した。
来年の解禁には、先端にはシューティングヘッドの#8を結んで
本流に立ち込みトラウトと戦っている事を夢見て。
by Lt_cahill
| 2007-10-24 17:54
| Expression