カディス一本勝負!
道路から川に向かう斜面を降りながら今日の釣りの組み立てに思いを巡らす。
良く晴れた昼下がりで気温が上昇しているので大きなドライフライで釣るか、
確実に大物を狙ってウエットフライを流し込むか。
川に到着して状況を分析すると十分ドライで行けそうだ!
そこで、最初はドライフライで反応を見て
だめならウエットに切り替える作戦に決定。
パイロットフライに結んだのは前日まで夜なべして巻きためた
オリジナルのエルクへアカディスの#8。
ここはと思うポイントにフライをプレゼンテーションすると
一投目で大きな魚体がフライ目がけて飛び出したが
流れが速すぎて喰い損ねた。
そこでラインを水面につけずにフライを漂わせるとそいつは我慢しきれず
もう一度、絵に描いたようなヘッド&テールでアタックしてきた。
ひと呼吸置いて軽くあわせを入れるとパープルのブランクが陽の光を浴びて煌めく。
K・Bullet WT #4がバッドから弧を描き10メートルほど下流でそいつはネットに収まった。
北海道に向かう飛行機で読み終えた熊谷 達也著の直木賞受賞作品「邂逅の森」で
秋田のマタギが獲物を獲った際に叫ぶ「勝負!勝負!」の雄叫びを思わず口にしていた。
そしてそれに応えるように48cmの完璧な魚体が太陽の光を反射してキラリと輝いた。
何枚か撮影してリリースした後、今度は少し下流の荒瀬にフライを送り込むと
すぐさま同じサイズのレインボーがヒットした。
二尾釣って濡れてしまったフライをフライパッチに差し込んで
フライボックスから真新しいカディスフライをピックアップしてティペットに結び、
再び釣り下るとまたもやヒット!
周りを見てもカディス等ハッチしていないが魚達の捕食モードにスイッチが入ったのか
この日のアタリフライだったのかもしれない。
この日使ったフライラインは一月前に手に入れたシルクライン。
毎日ミューシュリンでグリースアップしたラインは水面に気持ちよく浮かんでいる。
多少重めのラインがスネークガイドをシュルシュルと延びて行くのが気持ちがいい。
きっと強風下では威力を発揮するだろうし、アキュラシー能力も申し分ない感じだ。
初秋の澄み切った青空のもと、
誰一人いない川を独り占めして釣りが出来るなんて、なんて贅沢なんだろう。
のんびりと釣り下り最大52cmを筆頭に
アベレージ45cm以上の12尾の大型魚と過ごせた至福の4時間。
日本にもカディスフライのみで純粋な釣りが楽しめるフィールドが残されていた事に感謝。
by Lt_cahill
| 2009-09-11 21:44
| Fishing Report