イースタン・シエラ・ネバダの夏 vol.5
この川は途中「Owens River」に合流して「Lake Crowley」に流れ込んでいます。
ルート395から脇道に入ると、牧草地を流れるHot Creek Ranchという
プライベートセクションが見えてきます。ここは宿泊者15人のみが釣りのできるエリアで、
ドライフライしか使ってはいけないというレギュレーションがあります。
アメリカでは人気があり一年前から予約が一杯らしいのですが、
ここ以外にも釣りのできるいい川が多数あるので無理して泊まることは無いと思います。
下流に温泉が吹き出している場所があるからです。
一日中水着の観光客が川に入って温泉浴を楽しんでいます。
そこからHot Creek Ranchまでの1.6kmがキャッチ&リリースの区間で
8000〜9000尾のワイルドトラウトが生息していると言われています。
岩盤がえぐられてできた地形なのか、谷底になっていて斜面を30メートルほど下ります。
川に降り立ち観察すると川幅は7〜10メートルほどで、水深も50cm〜70cmほど、
深い場所では1m以上ある場所もありますが、全体的に浅めです。
行くまでは水草に覆われた川底と聞いていましたが、
今年は雪代の増水が長かったのか、水草はまばらです。
その分予想していたより流れが速いのにはビックリしました。
Hot Cewwk Ranchとの境界線まで川を歩きながら水生昆虫をチェックしますが、
メイフライは確認できませんでした。
タックルをセットしながらライズを探しますが、見当たりません。
天候も川に着いてから曇り始め、上流から強風が吹いて気温も下がってきました。
釣りになるのか不安がよぎります。
今回のアメリカ釣行では
「マッチザハッチで、でかいトラウトを釣る」
「どんなフライをキャストしても純粋に出てくれる、でかいトラウトを釣る」
「日本で実践している水面下のウェットフライで、でかいトラウトを釣る」
なんて考えてきましたが、共通項は「でかいトラウトを釣る」です。
とりあえず一尾を釣りたかったので、選択肢はウェットでの確率が高そうに思えました。
#4ロッドにWFのフローティングライン。
10フィートポリリーダーのホバーに3X、4X、5Xのフロロカーボンティペットを
10フィート付け足し、ドロッパーに大物キラーのダンケルド#8、
リードには黒いボデイにシルバーティンセルのリブがテレストリアルを連想させる
シルバーサルタン#16を結ぶ。
何度かキャストを繰り返しスイング&リトリーブを繰り返す。
同行したkunitaさんはダブルニンフのシステムでいきなりブラウンを釣り上げ、
ロッドを曲げています。ニンフの方が釣れるのかな?なんて思っていると、
インスタネットを引き出して無事ランディングしたのは
お腹がデブったヤンキーなレインボートラウト12インチ。
やっぱり最初の魚は小さくてもうれしい。写真をしっかり撮って即リリース!サンキュー!
その後ブラウントラウトの同じようなサイズを2尾追加すると、
下流から3人ほどアメリカのフィッシャーが釣り上がってきたので、
釣り下りができなくなっちゃいました。
(トラブルになり英語でケンカもしたくなかったし/笑)
仕方なく、対岸に渡り左岸を釣り下ることにしました。
ほとんどのアメリカのフィッシャーはウェダーを履いておらず、左岸は私一人。
日本でもそうですが、右岸からの釣り人が多い川では左岸から釣ると
ドラッグが逆にかかるので魚の警戒心が薄く、釣れる確率が高いと思っています。
アメリカでもそれは同じで釣り始めてすぐに3尾を釣り上げることができました。
しかし、アベレージサイズなのか11〜12インチ以上の魚は出てきません。
足下で突然ヘビに遭遇したり、川の淵に毒草が密集していて葉っぱに触ると
チクリと刺さりミミズ腫れになる。
ラインやフライが絡まり釣りにならないので下流に移動。
巨岩のある大物の予感がする流れにやってきました。
対岸からはこの流れを釣ることはできないので、
今日は魚がフライを見ていないと思われます。居れば絶対出るはず!
3本の複雑な筋を手前から探り、一番奥のレーンをトレースし終わったときに、
根掛かりのようにラインが止まり、ラインを慎重にあわせると首を振る生命反応。
思わず「でかい!」と大声を出してしまいました。
下流の沈み石に逃げ込もうとしているのが分ったので下流に走り込み、
ラインをリールに収納してバレないように誘導するが2度ほどジャンプされて
あわやブレーク寸前!なんとかネットに収まったのは18インチのワイルドレインボー。
釣れたフライはリードに付けたシルバーマーチブラウンの#16。
またこのお気に入りのフライでいい思い出ができた。うれし〜ぃ!
この後さらに下って大岩周りの流れ込みで18インチ以上のトラウトがサイトで見えて
ウェット、ドライ、ニンフ、テレストリアル、ストリーマと試すが
流れが複雑で最後まで無視された。
大物は簡単には釣れないのはアメリカも同じなんだよね。
最後に流れ出しで12インチのブラウンがローカルフライのホッパーで釣れたりと、
今日は8尾を釣りあげ、バラしも4尾と多かったのですが、
ウェットで結果が出せて満足の一日でした。
さあ、明日はどんな釣りになるんだろう?
続く…。
by Lt_cahill
| 2006-08-01 19:10
| アメリカ釣行